こんにちは医師のHです。
今日はタンパク質のお話しをしたいと思います。
タンパク質は3大栄養素(炭水化物(糖質) タンパク質 脂質)の一つで最も大切な栄養素であると思います。炭水化物(糖質)、脂質は主に体のエネルギーになるのに対して、タンパク質は筋肉や血管、皮膚、爪や髪の毛など私たちの体を作る材料であると言えます。
骨についてもその50%はタンパク質です。つまりカルシウムだけ摂っていても骨は強くなりません。
十分なタンパク質を摂っていることが必要なのです。その他タンパク質は酵素やホルモンの原料にもなり、大切な栄養素です。
それでは1日どのぐらいのタンパク質を食べればよいのでしょうか?
健康な成人が1日に必要な量は体重1Kgあたり1~1.4gと言われています。
タンパク質はご存じのように、肉、魚、豆、卵、牛乳などから摂ることができますが、例えば、60Kgの人なら牛肉なら300g、魚(1匹100g)なら約3匹、卵(1個50g)なら約9個、豆腐(1丁300g)なら約3丁となります。
例えば肉だけからこれだけのタンパク質を摂ろうと思ったら、カロリーや脂質がオーバーになってしまいます。いろいろな食材から万遍なく摂るのがよいと思います。
特に卵はアミノ酸スコアが高く理想的なタンパク源です。
タンパク質は消化管でアミノ酸に分解されて吸収されるのですが、タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あります。そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、これらは体内で合成することはできないので、食物より摂り続けなければなりません。
この必須アミノ酸のバランスを数値化したものがアミノ酸スコアといい。その数値が大きいものほど良質なタンパク質と言えます。
外来に来られる方を診察していると、十分にタンパク質を摂られている方は少ないのではないかと思います。
特に持病がある方、高齢者の方は十分にタンパク質を摂る必要があると思います。
ある種の病気(腎臓の病気やアレルギーなど)を除いて、タンパク質の摂りすぎが問題になることはまずないと思います。
高齢の方であまり食事が摂れないようであれば栄養補助食品を利用されるとよいでしょう。
「年をとったから肉や魚はあまり食べなくていい」と考えるのではなく、
「年をとったからこそタンパク質を十分に」と考えましょう。
認知症やフレイル(虚弱高齢者)の予防にもなります。
(医師・H)